原発事故被害の拡大を阻止する作業に従事する皆さんに、最大限の敬意を表します。

私達は、横浜地域を中心に活動する一人でも誰でも入れる労働組合です。これまでも原発内被ばく労働に高い関心を持ち、昨年まで、福島第一原発で働いて、多発性骨髄腫という病気になって労災認定された組合員の裁判を闘っていました。残念ながら東電は、国の労災認定という事実を否定し、国までも厚生労働省の決定を無視し東電を応援し、裁判所もそれを鵜呑みにする判決となりました。

今日の事態は、被ばく労働や原発を問題視してきた私達にとって、予想していたとはいえ、その力不足を痛感させられました。本当に残念です。東電や国の責任は極めて重大です。強い憤りを禁じ得ません。一方で、働く仲間として、ほとんどまともな睡眠や食事も得られない中で、働いておられる皆さんのご苦労やご家族の不安を考えると、言葉では言い表せない気持ちになります。

市民の中には、早期に事態を終息させるために、東電の社員が責任を取って被ばく労働に従事すればいいのだ、仕事だから仕方がないのだなどという方もいます。私達はそうは考えません。こうした緊急事態であるからこそ、労働者の安全と健康を確保しなければならないと強く考えます。ただし、事故があり得ないとしてきた東電や国に、十分な対応能力があるとも思えないのです。労働者が自衛するしかないと考えます。具体的には下記の通りです。

① 記録をつけましょう

誰からの指示で、どこでどのような作業にいつからいつまで従事したのか、ぜひ記録を取るようにして下さい。被ばく線量だけではありません。出来る限り一日の作業内容や体調のことを記録しましょう。

② 情報を外部に提供しましょう

皆さんの状況は、新聞でも報道されるようになりましたが、まだまだ限られています。家族とも連絡が取りづらいようですが、とにかく外部に情報を提供して下さい。もちろん匿名でも構いません。私達ユニオンもいつでも相談に乗ります。秘密は厳守します。

③ 労働組合に相談して下さい

どうしようもない。労組なんて力にならないとあきらめていませんか。この事故を目の当たりにしているはずなのに、ある電力会社の労組幹部は、地方労働団体の会議で「うちの原発は安全だ」と発言しています。そんな労組はあてにならないと考えておられるかもしれません。それでも団結すれば事態は変わります。たとえ企業内で一人でも、労働組合として会社と交渉ができます。私達のユニオンは、そうして労災、解雇、賃金未払いはもちろん、職場改善の交渉をして、解決してきました。下請けでも指揮命令下にあれば、元請け会社などと交渉できます。

一日も早く事故が終息し、皆さんと共に、気持ちよく働ける職場作りに取り組めることを、心から祈願致します。

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