スマート・フォーラム通信　st-240130

大変興味深い元最高裁判事の桜井竜子さんのインタビュー（「少数意見ためらわず」日経連載） ジャーナリストになりたかったがマスコミの女性公募は皆無。1970年に旧労働省に入省した当時、 霞ヶ関全体で女性キャリア採用は桜井さんだけだった。お茶くみも仕事で、60年代よりも後退し ていた。女性で初の労働組合課課長補佐になったのは1989年の連合結成前夜。その中心にいた山田精吾さん （初代連合事務局長）らと、日本の労働運動の行方について夜な夜な酒を組みかわして熱く議論した。 　連合は無事結成されたが、その後には疑問がある。賃金交渉力が弱すぎる。社員の不満は抑えられ、 企業別組合も協調的。長期雇用が揺らぐ今、労組は賃上げなど待遇改善と言う本来目的に立ち返るべきだ。 1990年～91年は育児休業法新設に没頭。当時の丹下一男日経連賃金労務管理部長など使用者側は男の育休は 早すぎるなどと強硬に反対。四六時中会って説得を重ねて譲歩を得た。2008年、九州大学で教えていた 桜井さんに首相官邸からの電話で、予想もしていなかった最高裁判事に。2014年には広島中央生協 マタハラ裁判での逆転差し戻し判決を書くことになる。日本の女性の地位は登山で言えば5合目。 社会に無意識に残る明治以来の役割分担意識を見直す議論が必要だ。

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