スマート・フォーラム通信 通算279号

賃金の機能は報酬だけか(日経6/11) +異論反論  日経新聞に「大機小機」なるタイトルで経済評論風のエッセイが掲載されている。 匿名で経営者っぽい数人が持ち回りで書いているようだ。なるほどと感じることもあるが、 以下の文章はあまりにもひどくて現実離れしているので・・・まずは紹介。  在宅勤務の対象を正社員のみにしていた企業が多かった。なぜかというと正社員の場合は監視を しなくてもきっと仕事をしてくれるはずだという安心感があるからだ。担保は高い給料である。 非正規従業員の報酬を上げれば非正規従業員の在宅勤務はもっと広がるかもしれない。高い給料は 従業員の不正を防ぐという効果もある。銀行では現金を扱えるから不正が起こりやすい。不正を防 ぐ重要な手段は高い賃金である。同一労働同一賃金の原則が言われるが、賃金は労働の対価として の機能を持つだけではない。同じ労働をしていても年輩の人の給与が高いのは年配の人の労働の質 が高いからではない。年輩の人に高い報酬を払うことによって、若い人々の中途退職を防ぐことが できるのである。国家公務員総合職の給料はその労働時間の長さを考えれば決して有利ではない。 それでも希望者が集まるのは仕事にやりがいがあって社会的な評価が高いからである。  異論反論:労働者は監視しないとまじめに働かない。とりわけ安い賃金で雇われた労働者は不正を 働きかねないという、あからさまな差別意識がある。年配の人や正社員の賃金が労働以上のものだと いう決めつけに加えて、非正規の賃金が労働を反映していないという同一労働同一賃金の議論の前提 自体を理解していない。そしてもはや理想論としても終身雇用制度自体を放棄している経営者の姿勢 は全く見えないようだ。そいていわゆるエリート学生の多くが、やりがいも社会的評価も低くなる一方 の国家公務員になろうとしていない、さらにどんどん辞めている現状も。

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