スマート・フォーラム通信 通算300号

ひとり親世帯の困窮深刻 息子だけでも3食を(2/6日経)  ひとり親世帯を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」には、「失業して、見つけた別の飲食店で 働いているがシフトが少なく、家賃未払で退去になりそう。2歳の息子だけでも3食与えたい」といった深刻な相談 が急増している。20年度は21年12月時点で1300件を超え、すでに19年度の5倍。 ひとり親世帯向けフードバンクを 運営するNPO法人「グッドネーバーズ・ジャパン」が20年12月、支援を受けている首都圏の592人を対象にした調査で、 コロナ前と比べ収入が「減った」「なくなった」と答えた人が6割を超えた。解雇やシフト減を理由に挙げる回答が 85%に達した。 16年度の厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査で、約142万のひとり親世帯のうち約86%が母子世帯で、 その4割超が非正規就労だった。同省の18年の国民生活基礎調査でも、世帯別の相対的貧困率は、ひとり親世帯が48.3%で、 ふたり親世帯の11.2%を大幅に上回る。離婚が成立していないなどの事情で児童扶養手当を受け取っておらず支援の枠組 みから外れた家庭や、生活保護申請の扶養照会を敬遠し申請自体をためらうひとり親も少なくない。  私も40数年前、母子世帯3人暮らし。決して「ぜいたく」はできないが、お正月やお盆には鉄道マニアの兄が 計画して「日帰り」(親戚の家に宿泊)観光旅行をして楽しかったし、とりあえずお腹が空いた記憶は全くない。 私が兄と喧嘩するなどしてふてくされていると、帰ってきた母が「おいしいもん食べようか」(単なる菓子パン・・・) と言ってごまかされたことも思い出す。おかげさまで兄弟そろって大学も授業料は全額免除で、奨学金も簡単に 借りられて無事卒業することができた。何といっても、大手百貨店のパートで働いていた母が、「時給は少しずつ 上がるし、正社員になれるかもしれないよ」などという上司の慰留を断り、休みは少なく賃金は安いがまずつぶれる ことのない零細個人商店に転職して、正社員として働き続けられたことが大きい。収入は多いに越したことはないし、 非正規差別是正は重要な課題とはいえ、とにかくまずは「食べられる生活の安定性」だと、身に染みて思う。

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