スマート・フォーラム通信 通算307号

私は労働者? フリーやFC店主と委託企業の争い(日経4/19)  料理宅配などで働く個人事業主が「労働者」としての権利を主張して 業務委託元の企業と争う例が相次いでいる。労働基準法が労働者を 「事業に使用される者で、賃金を支払われている者」とする一方で、 労働組合法では、「賃金、給料及びこれに準ずる収入で生活する者」 と間口を広げている。  2011年に最高裁判所は、労組法の労働者性の判定基準として以下の 6つの要素を提示した。①事業組織への組み入れ、②契約内容の決定、 ③報酬の労務対価性、④業務の依頼に応ずべき関係、⑤広い意味での 指揮監督や時間・場所の拘束、⑥顕著な事業者性。同年、厚生労働省 の研究会も①~③を基本的要素、④⑤を補充的要素、⑥を消極的要素 に分類した。  ところが、中央労働委員会は2019年、セブンイレブンとファミリーマート のフランチャイズチェーン加盟店主が労働組合法上の労働者性を争った事案で、 まず⑥の「独立事業者としての性格」の確認を優先させた上で、本部の 「事業に不可欠に組み入れられているか、否か」などを検討して、労働者性を否定した。  元々、上記の最高裁判決は、県労委、中労委が労働者性を認めたものの、 高等裁判所が労働者性を否定し、それを最高裁が逆転判決させたものだ。 スーパーホテルの支配人・副支配人や葬祭業ベルコの元代理店従業員のように、 労働基準法上の労働者として訴訟を提起する例も増えている。労働者性をめぐる 係争は、業務委託のビジネスモデルを大きく左右する。内閣官房の統計では、 個人フリーランサーは462万人と派遣社員の3倍以上に達する。

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