スマート・フォーラム通信 通算316号
最低賃金3%上げ930円
賃金の低さ際立つ日本(日経7/15)
中央最低賃金審議会の小委員会は14日、2021年度の最低賃金を全国平均で28円を目安に引き上げ、
時給930円とすると決めた。28円の引き上げ額は過去最大。しかし、日本の最低賃金は主要先進国
では水準の低さが際立っている。内閣府によると、2021年の最低賃金はフランスと英国が1302円、
ドイツが1206円、米国は週平均で1060円だ。上げ幅も鈍い。 急激に最低賃金を上げると、
企業は雇用を減らすという見解が経済学では伝統的にある。しかし、それを否定する1990年代の
米国の実証研究がある。最低賃金を上げたニュージャージー州と、上げなかった隣のペンシルバニア州
にある約400のファーストフード店の雇用を電話調査。最低賃金を上げないペンシルバニアは雇用が減ったが、
賃上げしたニュージャージー州は微増だった。ドイツの近年の実証研究では、
最低賃金政策により、低賃金で働く労働者が高い賃金の企業へシフトする現象がみられた。
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