スマート・フォーラム通信 通算324号

ノーベル経済学賞に 米の3氏 最低賃金と雇用研究(10/12毎日など)  スウェーデン王立科学アカデミーは、2021年のノーベル経済学賞を、 米カリフォルニア大バークレー校のデービッド・カード氏らに授与すると発表した。 授賞理由は、データ分析の手法を洗練させ、最低賃金引き上げなどの影響を確かめたこと。  カード氏は、最低賃金を上げると経営者がコスト増を嫌って雇用を減らすとする 経済学者や経営団体が今も多い中で、1990年代初頭に米ニュージャージー、 ペンシルバニア両州のファーストフード410店を調査し、最低賃金を上げても雇用に 影響がないことを確認した。  ノーベル経済学賞は、平和賞とならんで、極めて政治ないしイデオロギー的な方向性が 色濃いものである。経済学賞は歴史的に近年若干の例外はあるものの、経営者寄りで 既存の資本主義を肯定的にとらえる主張をする学者ばかりが受賞してきた。 こうした実証研究では逆の結論が出ることがある中で、あえて経営側の通説を 覆した人が受賞した意味は非常に大きい。とりわけ「ノーベル賞好き」で、 賃金も最低賃金も低いままの日本社会に与える意義は大きい。最賃の引き上げは、 実は「経営側」のグローバル・スタンダードになったと捉えるべきだろう。 *******************************
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