スマート・フォーラム通信 通算338号

定年で再雇用で賃下げ『相場』はあるか(日経2/2)  定年後に有期雇用で再雇用されることが多い。同じような仕事を続けているにもかかわらず、 会社が大幅な賃金削減を主張することも多い。その場合の基準や削減幅の歯止めはどの程度であろうか。  名古屋自動車学校裁判では、運転指導員として再雇用された原告の基本給が、 定年時の18万円強から半分以下の8万円程度に減らされ、入社直後の若手正職員より も低いことを疑問視した。「定年時の基本給の60%を下回る(4割超減)程度で不合理」とした。 現在、控訴審が争われている。  九州惣菜裁判は、定年時の本給が時給換算1944円だった労働者が、再雇用で時給が半分以下の900円、 週3~4日勤務で月手取り75%減の契約を提案された事案。低い条件を承諾せず再雇用されていなかったので、 17年の福岡高裁は慰謝料100万円を認め、最高裁は上告不受理で18年に確定させている。乱暴に言えば、 給与水準によるが、1~2割減は許容範囲だが、4~5割減は違法になるかもしれない。  ちなみに23年4月施行予定の改正国家公務員法に「定年を段階的に引き上げ、 60歳到達後の俸給は60歳前の100分の70にする」との規定が入った。同規定を管轄する 人事院給与第一課の担当者は「厚生労働省の賃金構造基本統計と人事院の職種別民間給与実態調査で、 民間の60歳以降の給与が7割程度(3割減)と把握し、それに合わせた」と説明する。  同一労働同一賃金について、最高裁まで争ったハマキョウレックス裁判の労働者側代理人の 中島光孝弁護士は、「60歳以降の賃金の本旨について突き詰めて考えていない民間水準に、 国まで合わせるのは疑問だ」と批判している。

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