スマート・フォーラム通信 通算352号

博士課程修了者の約3割が非正規 人気薄の原因に(日経8/24)  国内の博士課程の就職状況は厳しい。文部科学省科学技術・学術政策研究所によると、 2018年度の博士課程修了者のうち20年時点で29%が非正規雇用だった。大学・公的研究機関への 就職者のうち2割が任期制研究員。19年度の日本の博士号取得者は約1万5000人で、 06年をピークに減少傾向。海外では対照的に博士号取得者が増えており、 米国(18年度)は約9万1000人、韓国(21年度)は約1万6000人で、00年度と比べて2倍越。 日本の研究力の国際評価の低下も止まらず、引用上位10%に入る「注目論文」の数は 18~20年度の平均で過去最低の12位に転落。1998~2000年の平均は4位だった。  中央教育審議会部会は8月、大学院による文系の就職支援などを求めたが、 対策の実行は待ったなしの状況だ。記事には触れられていないが、雇用が不安定なうえに、 実は収入も決して高くない。高学歴ワーキングプアと言われている。やりたいことをやっているから、 将来的に評価が上れば・・・もうちょっと頑張ろう、という思いで生活している研究者は少なくない。 生活のためには、自分の研究と必ずしも関係のない分野を大学で教えたり、アルバイトに時間を取ら れることもあり、肝心の研究そのものも進まない悪循環に陥りがちである。 当事者の団結も容易ではない。

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