スマート・フォーラム通信 通算383号

『年収の壁』対策決定 手取り減少防止 新手当を創設 (9/28毎日など各紙)  政府は、配偶者に扶養されるパート従業員らが一定の年収になると、年金などの 社会保険料負担が発生するのを避けるために働く時間を抑える「年収の壁」への対策を決定した。 保険料を肩代わりする企業に対し、従業員1人当たり最大50万円の補助金を支給する。 企業が補助金を活用し、従業員に最大2年間支給できる「社会保険適用促進手当」も創設する。 対策は当面の措置とし、抜本的な解決策は2025年の年金制度改正に向けて検討する。  大和総研の是枝俊悟・主任研究員は、上記の対策に懐疑的である。企業への助成金は、 もう少し働いてもらいたいが社会保険料負担がネックで就業調整しているパート労働者を多く 抱える企業では効果があるだろう。ただ、社会保険適用促進手当は、既に「壁」を超えて 働いているパート労働者もいる中で、誰を対象にどのように手当を出すかの判断は難しい。 そもそも「壁」を意識して働く人は、厚生労働省の推計では来年の10月時点で最大で60万人程度。 少子化で労働人口そのものが減る現象に対しては、対策は微々たる効果しかないだろう。 もちろん年収106万円で手取りが一気に減る仕組みは直した方がよい。抜本的には短時間労働か どうかに関わらず、収入に比例して社会保険料を課すようにし、壁をなくす形が一番納得が 得られるのではないか。 実は、企業の扶養手当の支払い条件が社会保険とリンクしている企業 も少なくない。同一労働同一賃金や男女差別解消という観点から、 賃金のあり方そのものについて労働組合内部や労使できちんと話し合う必要がある。

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