
中部電力、耐震設計の基礎中の基礎を捏造
新年早々、中部電力が、地震のデータを捏造していたことが、明るみに出ました。
静岡県御前崎市にある中部電力の浜岡原発(1~5号基)は、2011年の東日本大震災で起きた福島第一原発の大事故の直後、当時の菅(かん)首相の要請で、運転を停止しました。駿河湾沖にある南海トラフを震源とする巨大地震が「いつ起きてもおかしくない」からです。
津波対策として、海抜22メートルの巨大な防潮堤(防波壁)を築きましたが、南海トラフ地震の想定が見直され、さらに6メートルかさ上げして海抜28メートルにする計画です。
中部電力は、3、4号機の再稼働(1、2号機は廃炉)を目指して、原子力規制委員会に審査を申請ましたが、大きい地震が来ても大丈夫という計算の基礎になる「基準地震動」を小さくなるよう捏造していたのです。捏造したデータは、廃炉を求める裁判にも、安全性を証明する証拠として出されています。
内部通報には対応せず 規制委員会への外部通報で発覚
捏造が明らかになったのは、原子力規制委員会へ外部から通報があったからです。規制委員会に問い詰められた中部電力は、捏造を認めましたが、会社内部の通報には対応していませんでした。規制委への通報がなければ、捏造は明らかにならなかったのです。「安全規制に対する暴挙」と受け止めた規制委員会は、再稼働の審査を白紙に戻し、立ち入り検査を始めました。結果次第では設置許可を取り消す可能性も、と規制委は怒っています
廃炉の決断を!それでも地震への備えは必要
南海トラフ地震で浜岡原発が大事故を起こせば、東海道新幹線も東名高速も寸断されてしまいます。浜岡原発にかけられてきた安全対策費は、総額約4,000億円。さらに、テロ対策施設には、5号機までの3基それぞれに400~500億円の追加投資、稼働停止中でも年間1,000億ほどの維持管理費がかかると言われています。
浜岡3号基は運転開始からすでに38年、4号基も32年経っています。安全審査が再開される見通しは立たず、その間にも老朽化は進みます。再稼働をあきらめ、全部廃炉にして、放射性物質を漏らさないための地震対策に集中するべきです。
大雪が続く中で再稼働した柏崎刈羽原発 制御棒にトラブル、5時間でストップ
地元の新潟県に1,000億円もの支援資金を拠出してまで、柏崎刈羽原発6号機の再稼働に踏み切った東京電力。今年1月21日の準備作業中に、核分裂を抑える制御棒の警報が鳴り部品を交換しました。予定から1日遅れで再稼働しましたが、5時間後にまた制御棒のトラブルが起こり、原子炉を再停止させました。原因はわかっていません。
15年ぶりの再稼働をめぐって、14万人余りの県民が県民投票を請求したのに、県議会がこれを否決、県民の声を聞く、信を問うと言っていた花角知事も、国に急かされるように再稼働を承認してしまいました。
雪の中でのまともな避難計画もないのに、再稼働に踏み切りましたが、長期間の停止で心配されていた設備の不具合で再停止。しかも、トラブルを起こしたのは、原子炉の核分裂を制御する重要設備です。
東電は、柏崎刈羽原発のセキュリティ不正で、規制委から「原発を運転する資格なし」と運転禁止処分も受けてきました。原発を動かす現場のベテランの多くも会社を去り、人の面からも心配される東京電力に、原発を再稼働させてはなりません。
地震の大きさの捏造という、やってはならないことをした中部電力。大雪が続く中で再稼働したのものの、トラブルを起こして5時間で停止した東京電力。
浜岡原発も、柏崎刈羽原発も、再稼働をやめて廃炉にするべきです。 【組合員N】