原発再稼働の是非は、住民投票で決めるべきだ!


放射能の危険性は「広範囲」「長期間」

14年前の福島原発事故は、4基の原子炉が同時に破壊する深刻なものでした。当日の風向きや気象によっては東日本全域が放射能に汚染され、生活できなくなる可能性もありました。実際、2万4千人が故郷を追われ、原子力緊急事態宣言は今も解除されていません。住宅や商店街の除染作業は行われましたが、山間地など未除染地域も広く残っています。18歳以下の子どもの甲状腺がんも多数報告されており、広範囲に飛散した放射能による住民の健康被害はこれからも危惧されます。今後も原発を運転し続ければ、地震や津波、人為的ミスなどによって甚大な事故が起きる可能性はぬぐえません。

原発は「負の遺産」

原発を稼働すると、使用済核燃料など放射性廃棄物が大量に発生します。これは長期にわたり(10万年以上)生活圏から隔離、管理する必要があります。原発は1950年代に「核の平和利用」として稼働が始まりましたが、当初から放射性廃棄物の問題については考慮されず、放置されてきました。現在、放射性廃棄物の処理方針としては「地層処分」が有力で、処分地の選定が行われていますが、地震が多く複雑な地盤の日本列島に適地はありません。これ以上、次世代に負の遺産を残さないためにも、私たちは今、原発を止める決断をすべきです。

原発は「高コスト」「ノークリーン」

この2月、エネルギー基本計画で、原発の最大限活用、既存原発の60年超え運転などの方針が閣議決定されました。政府は、原発はCO2 を出さない、太陽光発電に次いでコストが安い(1kwh当12.6円)と言っています。

 確かに原発は、発電時にはCO2を発生しませんが、発電前の燃料棒の製造過程、発電後の使用済核廃棄物に膨大な電力と費用と時間が必要です。発電時だけを比較して「原発はエコだ」と言うのは間違いです。

 また、核エネルギーは、熱源として「電気の形」にしないと使えず、しかも熱効率は低く(約35%)、残りの約65%は原子炉の冷却水として使用し、温水となって海に捨てられています。それゆえ「巨大な湯沸かし器」と言われ、周辺の海水温度を上昇させています。

 発電コストについても、放射性廃棄物の管理や処分に係る膨大な費用は計算に入っていません。また、原発は「ベース電源」として運転するため、出力調整のための「サポート電源」として常に火力や水力発電が必要です。

 つまり、原発は、エネルギー効率も経済効率も悪く、使いにくいエネルギー源です。原発を低コストでクリーンな電源と言うのは、原発を稼働させることで利益をむさぼっている「原子力むら」が作った巧妙はウソです。

原発政策を決めるのは国民だ!

昨年9月、東電は敷地内に貯蔵していた使用済核燃料を青森県の中間貯蔵施設に移送し再稼働準備を整えました。柏崎刈羽に隣接するUPZ(30㎞圏内)の7市町では「再稼働を県民投票で決める会」が署名活動を進め、直接請求に必要な法定数(有権者の1/50)を大きく上回る14万3千筆を集約し、4月中旬以後の県議会で審議される予定です。

 原発の再稼働については、規制委員会の安全審査に合格することが必要です。柏崎原発は、敷地内の活断層の評価やテロ対策の欠陥、東電の杜撰な管理体制など多くの問題がありながら認可されました(2017年12月)。規制委員会は「原子力利用を積極的に進める」立場であり、不認可になる例は殆どありません。事業者の不十分な安全対策を繰り返し修正させ、合格させるのです。

 この構造は「原子力むら」に支えられています。歴代総理大臣を「村長」とし、政治家・官僚・電力事業者・学者・マスコミの5者による非公式な利益共同体です。原発政策を決定づけ、国家予算を自由に使い、事業収入の最大化を図っています。

 私たち国民がエネルギー政策を真っ当に議論するためには、この「原子力ムラ」の構造を打ち破ることが必要です。柏崎原発の再稼働の是非を県民投票で決める運動は、原発政策を国民の手に取り戻す大きな一歩です。【組合員Y】

4/11 原発再稼働に反対!

新入社員と思しき初々しいスーツ姿の若者たちや、これから花見に向かうのか楽しそうに待ち合わせする人々で賑わう夕刻の関内駅頭で、「脱原発」を訴えながら11名でビラをまきました。次回は5/11(日)10時~横浜駅西口の相鉄線改札前で行います。気候も穏やかな時期です。奮ってご参加ください!

故長尾光明さんの闘いを胸に

よこはまシティユニオン組合員の長尾光明さん(故人)は福島第一原発で働き、被ばくが原因で退職後に多発性骨髄腫(血液のガン)を発症し労災認定されました。損害賠償を求めて東京電力を相手に裁判を起こしましたが、東電は労災認定はおろか病名すら否定。裁判所も長尾さんの請求を棄却しました(最高裁2010年4月)。

よこはまシティユニオン組合員の長尾光明さん(故人)は福島第一原発で働き、被ばくが原因で退職後に多発性骨髄腫(血液のガン)を発症し労災認定されました。損害賠償を求めて東京電力を相手に裁判を起こしましたが、東電は労災認定はおろか病名すら否定。裁判所も長尾さんの請求を棄却しました(最高裁2010年4月)。

職場の問題、いつでもご相談を!
東日本大震災や原発事故を忘れないため毎月11月に街頭宣伝を行っています。労働組合としてできる事は何かをいつも考えています。「福島どころじゃない」「自分の仕事と生活が大変」という方もいるでしょう。そんなあなたこそ、諦める前に一度ぜひ職場の問題をユニオンに寄せてください。一緒に解決しましょう!

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